祝辞 JOIN開設記念講演会に寄せて・・・

2010.07.12 Monday

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    自閉症および発達障がい児・者の保護者団体を代表しまして、
    本日の開設記念講演会開催のお祝いと、
    これまでご尽力くださいました関係機関の皆さまに感謝を込めて、
    ごあいさつ申し上げたいと思います。

    「自閉症」のこどもを授かった親の多くがそうであるように、
    私も、「自閉症」という言葉に出会ってすぐの頃には、
    わが子がどんな大人になるのか、まったく想像できない
    不安と孤独の中で時を過ごしておりました。
    幼児期から就学を迎えてのしばらくの間は、
    わが子のために必要な専門的な療育や教育について、
    無我夢中になって学び、暮らしていました。

    たくさんの厚意ある方々のお力添えで、
    こどもは育まれてきましたが、
    例えようの無い不安はいつもすぐそこにあって、
    解消することはありません。

    ライフステージが変わるたびに、
    あるいは、担任や担当者が変わるたびに、
    わが子のこれまでと、これからのことを、
    その都度 親が通訳者となって橋渡しをし続けることの限界は、
    やがてくるでしょう。

    私にひとたび何かあったら、明日からこの子はどうなってしまうのだろうかと。

    この世の中に、
    自閉症のこどもを持つ親は自分一人ではないのだから、
    同じようなことを考えている人たちが必ずいるに違いない。
    そうだ、自閉症のことを専門的にわかるセンターを新潟市に作ってもらおう。
    それは個人の力では到底できないことだから、親の会に入会しよう。
    そして、みんなで 行政にはたらきかけ、お願いするんだ。

    そのように思いたち、親の会に飛び込んでいきました。

    親の会に入り、勇んでこの願いを話しました。
    すると、大先輩のお母さんたちが何も知らない私に
    やさしく教え諭してくれました。

    「どんなことでも、欲しいと思ってから活動し始めて、
    実際に本当にそれが実現するまでには、10年かかると思ってください」と。

    それが平成9年のことでした。

    今年、私たちの住む新潟市に
    「つながり合う」という願いを託され、
    命名された「ジョイン」がスタートされました。

    これからも、数えきれないほどの困難が
    当事者やその家族たちにふりかかるかもしれないけれど、
    一人きりで、あるいは、家族だけで抱えまないでよい時代になったことを
    喜び合いたいと思います。

    そして、さらに10年後には、
    発達障がいのある人も無い人も、
    私たちは、新潟市に住んでいて本当に良かったと心から思えるように、
    ジョインのもう一つの意味、ジョイ(Joy)あるいはジョイフル(Joyful)。
    「与える喜び」を忘れることなく、私たち当事者団体は微力ではありますが、
    共につながりあい、歩ませていただきたいと思っています。

    ジョインの皆さん、今後とも、よろしくお願いいたします。

    NPO法人にいがた・オーティズム
    理事長 角田 千里
    平成22年7月9日